大阪府大阪市にある私立大阪高等学校(以下、大阪高校)。
大阪高校の教育スローガンは「主体的に行動する“オモロイ”18歳の育成」。主体性を育む教育活動を実践しており、特に夏期休暇中に行われる「夏期講座」は、本校の教員及び生徒が講座を企画し、自らの興味、関心を掘り下げる、すなわち「探究」をするきっかけ作りとして行っており、毎年様々な特色ある講座が開講されます。
今回は2022年度夏に開催された「夏期講座」で行われたスポーツダーツプロジェクトのダーツ体験会について、担当の松生篤志先生(高校教師兼プロダーツプレイヤー)から頂いたレポートをお届けします。
ダーツの経験はないけど、興味は津々!
今回の参加者16名のうち、ダーツの経験者は1人のみ。ほとんどの生徒が未経験からのスタートでした。事前アンケートでは「ダーツの経験はないけど、ダーツという競技には興味があった。」と回答した生徒が非常に多く、ダーツと関わるきっかけや場所はまだまだ少ないことを再認識しました。
当日は3時間という限られた時間のなかで
・ダーツを投げる感覚をつかむ
・ダーツを投げる楽しさを知る
の2点に絞り、活動を行いました。
初めてダーツを投げさせると、力任せで思い切り投げたり、逆に的に届かないといった、「頭の中で思い描いている飛び方」をしないことを目の当たりにしている様子が見られました。数回投げて、自分なりに投げ方の感覚を掴んだところで、狙った場所に投げる練習を行いました。
楽しみながら練習できるのもダーツの醍醐味
まずは的を4~5分割して、狙った場所に投げる練習です。ワークシートに示された場所に当たればチェックをしていくという単純なワークですが、まだまだ投げ慣れていない生徒たちからすれば超難題です。
「全然狙ったところにいかへん!」と言いながらも何度も何度も繰り返し投げ続けていました。早い生徒は3サイクルで全チェックが完了。 「まだまだ余裕です!」と得意げな顔を見せてくれました。
自然と声を掛け合う生徒たちの姿
一通り分割ワークシートが終わると、続けて1グループ1人でチームを組み、ダーツビンゴを行いました。一番早くビンゴシートを完成させることを目指すように競ってもらいましたが、チーム内で各々得意ナンバーを任せ合ったり、メンバーへの声掛けが自然と出てきており、ダーツを通してチームとしての一体感を感じてくれたように思いました。
狙い通り投げる難しさ
練習を終えて身体が温まってきたところで、チームでカウントアップ予選を行い、トーナメント方式で501を行いました。
高校生ということもあり、ルールはすんなりと理解してくれました…が、ルールは理解できても上手くいかないのもダーツの面白いところです。狙った場所に入らないもどかしさや、狙った場所に綺麗に入った喜びにあふれ、会場全体が大いに盛り上がりました。
ダーツは誰とでも平等に楽しめるスポーツ
私自身、ダーツに出会ったのは28歳のときでした。28歳といえば、スポーツで思うようにパフォーマンスができなくなる時期だと思います。しかし、ダーツには他のスポーツと違う良いところがあります。それは年齢・性別・体格に左右されず、平等に楽しめ、競い合えるスポーツだというところです。
生徒達も、この夏期講座を通してダーツというスポーツに触れ、その楽しさや、競技性に気づいてくれたと感じています。
さいごに
教員として生徒達を見ていると、「成功体験」に乏しいと感じることがあります。ダーツでも「狙ったところに入った!」 というこの小さな成功体験が、自己肯定感を高め、自己を見つめなおすきっかけになると考えています。
今回の講座を経て、生徒たちに、ダーツを通して成功体験を積み重ねて、心身ともに成長に繋がってくれれば何よりかなと思います。
これまで未経験だったところから、「夏期講座」を通してダーツの楽しさに触れた高校生たち。大阪高校にはダーツ同好会があり「夏期講座」開催当時3名だった会員は、17名となったとのこと(なかでも1年生は11名も活動しているそうです)。
スポーツダーツプロジェクトは全国でダーツを広める活動を実施しています。体験会実施希望の方は、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。