2025年3月15日(土)、『スポーツダーツプロジェクト杯2025 U-18 団体戦』が開催されました。
個人競技としての側面が強いダーツですが、今回は4~7名が1チームとなって戦う団体戦を初開催!
これまでの大会や練習と違い、ダーツのレベルもバラバラのメンバーをうまくまとめ、ダーツの実力以外も必要となってくる大会です。
大盛況で終了した当日の様子や優勝者のインタビューを活動レポートでお届けします!
大会概要はこちら:https://sportsdarts.jp/news/10793/
チームワークや戦略がカギとなる! 16チームのアツき戦い
本大会には、学校、児童館、ダーツスクールなどから合計16チームが出場しました。
会場に入ると、全員でアップに入るチーム、士気を高めるためにミーティングを始めるチーム、リラックスが大事とお菓子タイムに入るチームなど、様々でした。団体戦の勝利のカギは『チームワーク』。どのチームも積極的にメンバー同士でコミュニケーションを取り、個人戦と比べると緊張が和らぎ、笑顔が多いようにも感じました。


開会式を行い、いざ大会がスタート!
予選は4ロビンに分かれ、各グループ内で総当たり戦を行います。各グループの上位2チームは決勝トーナメント、3・4位のチームはセカンドトーナメントへと駒を進めます。
団体戦は自分だけが勝てば良い、というわけではありません。より多くの勝ちを得る必要があるため、応援にも熱が入ります。「いける、落ち着いて!」「今のめっちゃいいよ!」「上手いよ、ナイス!」あちこちから歓声が飛んでいました。



今回スポーツダーツプロジェクトの大会では初となる、3人1組でゲームを行う『トリオス』やダーツの定番ゲームの『クリケット』がゲームフォーマットに加わりました。さらには、選手の重複出場についてのルールが選手たちを悩ませたようです🤭
会場ではこんな声が聞こえてきました。
「トリオスのコツがいまだにつかめてない…。どうする誰が行く?」
「チームのエースはやっぱり最初に出して士気を高めよう!」
「○○くんをここでだすのはもったいないか…?いやここしかない!」
「対戦相手のチームは見てる感じあの子がエースだね。じゃあここでうちのエースを出す?」
「ごめん、クリケット苦手だ…。」
「俺、今日クリケットの方が得意だから行かせて!」
うんうん、自身の実力だけでなく、チームメイトの強みを活かし、状況に合わせた戦略をみんなで立てる必要がある。これこそが団体戦の醍醐味ですね!





予選が終わり、午後からは予選の結果に応じたトーナメントを開催!
予選と違い、負けると終了のトーナメント形式。選手たちの緊張感もマシマシです。
試合が終わった選手や観客たちが見守る中、試合が行われます。チームメイトの応援はもちろん、観客からも素晴らしいプレイが出たときは大きな拍手と歓声、悔しさを見せたときはポジティブなエールが飛びました。
選手の真剣な様子が観客にも伝わり、会場がピンと張り詰め静まるシーンもありました。



どのチームも熱戦を繰り広げ、時には実力以上の力を出して勝利し全力の笑顔が見られたり、時には悔し泣きも見られるような素敵な大会となりました。
まだダーツをはじめて数日の選手から、プロレベルの実力を持つベテラン選手まで、さまざまなレベルや境遇のプレイヤーがいる中、みな平等に楽しい試合ができ、会場一丸となって素敵な大会が作れたのではないかと思います。


優勝は、安定したチームワークと確かな実力で魅せた『共育プラザ一之江』

記念すべき第1回の優勝は、『共育プラザ一之江』。普段から同じ児童館に通い、一緒にダーツをしているという高校生7人です。
共育プラザ一之江では、児童館内の談話室にダーツマシンを常設しています。そこに自然と集まり、練習というより遊んでいる感じでダーツに触れていると言います。
メンバーのうち2人は高校3年生。U-18の大会に出られるのはこれがラストです。
予選から負けなしで決勝トーナメントに進んだこのチーム。決勝トーナメントでは、奇しくも予定が合わず参加できなかったメンバーの想いも胸に、最後まで快勝を続けました。
リーダー含め、ウキウキの皆さまへインタビューしました。
Q.おめでとうございます! 優勝した今の感想を教えてください。
「競技大会の時からずっと入賞止まりで、やっと優勝できました! みんなありがとう!」
「めちゃくちゃ嬉しいです! いつも対戦相手としてやっているメンバーが味方になるとこんなにも心強いんだなと思いました」
「優勝できるとは思っていなかったわけではないけど(笑) 結果的に優勝できたし、このメンバーではラストイヤーなので、卒業メンバーにも華も持たせることができて良かったです!」
「高校3年生で卒業しちゃうメンバーもいるので、いい思い出作りになったと思います」
「今回予選だけ出たんですが、2回しか勝てなくて個人的には悔しい…。でも、チームみんな上手だから! 普段は良い練習相手だけど、味方になったら怖いし最強で。優勝できてよかったです」
Q.初の団体戦ってどうでしたか? 練習方法などは変わりましたか?
「なーにも変わらなかったです(笑) とりあえず普段通りひたすら投げました!」
「たまにチームメンバーがそろったタイミングでダブルスの練習をしたぐらいです。トリオスなんて昨日初めて練習でやりました!」
Q.オーダー表や作戦はどうやって決めた?
「俺これ出たい、という挙手性でした。予選はアップぐらいの気持ちの余裕をもって、この試合はこの人のアップというような感じでやりました。決勝トーナメントは、チーム内のレーティング(※)が高い4人が出場して確実に勝てる作戦を考えようと思ったんですが、これもまた難しかった! どのゲームが得意、ってのがないからこそ悩みました」
※レーティング:ダーツの実力を示す数値。1~18にレベル分けされ、ダーツの実力が上がるにつれて数字が大きくなる。



実は競技大会も出場してくれている6名。個人戦と比較した、団体戦の良さやむずかしさについても聞いてみました。
Q.大会の中で気になったチームはありましたか?
「個人的に『杉並学院高等学校』です。2月にあった『U-18の交流会』の時に仲良くなった選手がいたんです。予選ロビンは違ったんで直接対決はできなかったんですが、気づいたらセカンドトーナメントで優勝してて、僕も嬉しかったです! みんなまだダーツを初めて数か月だと聞いたけど、めっちゃ上手になってた…」
「小学生チームもすごかった! みんなかわいい~と思ってみてたのに、ダーツは上手いんです。ロビンで当たった子なんて特に上手いのよ…。最初と最後の挨拶で握手したときの手のサイズの差にびっくりしました」



そうなんです!
スポーツダーツ競技大会と違い、U-12という枠がなかった本大会。中高生にまじって、小学生も多く参加してくれていました。
ダーツマシンの高さや距離をはじめハンデはなかったのですが、そんなことはお構いなしにブルを決めていく小学生選手たち。
中には小学生だけで構成されたチームもあり、『ダーツは誰でも簡単に楽しめるスポ―ツ』ということを改めて感じました。
Q団体戦と個人戦の違いについて、何かありましたか?
「何より応援の熱が違う! スポーツダーツ競技大会の時も知っている人や同じ児童館出身の人の試合は、応援するけど敵だしね(笑)」「他にも、知ってる人がたくさんいると応援も分かれちゃう」
「準決勝の『共育プラザ葛西』との戦いの時、応援の数が向こうのチームの方が多かったんです。そしたら本当にちょっと調子狂っちゃった。やっぱり応援の声って大事なんだって思いました」
「あとは責任感も違う。個人戦だとミスしても自分だけの責任で済むけど、団体戦だとみんなも巻き込んじゃう。そこのプレッシャーもありました」
最後まで笑顔を絶やさず、大会全体も盛り上げてくれた7名。
予選ではまだダーツ歴が短い対戦相手の選手が、01で勝利を決めると、全力で喜びお互いをたたえ合うような姿も印象的でした。
帰りは少し雨もちらつく中、「パネルどこに置く⁉」「というか誰が持って帰る⁉」と最後まで楽しそうなチームでした。
改めて、優勝おめでとうございます! お疲れ様でした!

ダーツで繋がり、その絆を試す場を。新たな大会の始まり


これまで私たちは、児童館をはじめとした地域の施設や「つくろう!ダーツ部応援キャンペーン」を通じた学校等に、ダーツの導入を進めてきました。同じ場所に集まり、ダーツの面白さに触れ、一緒に練習してきた仲間との絆を試せる機会を作りたいという思いから、今回初の団体戦を開催しました。
そして今回、見事決勝トーナメントの1位に輝いたのは、ダーツ導入から約4年の児童館チーム『共育プラザ一之江』。セカンドトーナメントを制した『杉並学院高等学校』は、2024年11月に本格的にダーツを始め、2025年度からのダーツ部創部に動く同級生5人のチーム。また、惜しくも決勝トーナメントの2位となった児童館チーム『八広はなみずき児童館A』は、高校生1人と小学生4人という異色のメンバー構成で出場してくれました。
所属も年齢も関係なく、みんなが同じフィールドで戦うことのできる、ダーツというスポーツの魅力を改めて実感しました。
団体戦は、”自分だけ強い”では勝てない。そこが難しくも楽しいポイントです。
試合の中には、仲間と喜びを分かち合い、悔しさを支え合える温かさがありました。普段は切磋琢磨し合える良きライバルや、なかなか勝てない格上の先輩でも、団体戦では強い味方になります。
一人では味わえない高揚感や責任感を感じてもらえたでしょうか?
ダーツというスポーツを通じて、そういった仲間との出会いの素晴らしさにも気づいてもらえたら嬉しいです。
無事に終了したスポーツダーツプロジェクト杯2025 U-18 団体戦。今後も継続して開催していきたいと思います。
次回大会ではさらに多くのチームの参加を期待し、スポーツダーツの輪がより広がることを願っています。次回の大会をお楽しみに!
