現在実施中の「 つくろう!ダーツ部 応援キャンペーン 第2弾 」。学校や地域のクラブチームなどでダーツに励みたいという方から応募を募り、創部のために必要な資料の提供や学校(所属団体)への交渉協力など創部に関わる相談協力から、創部が確定した後の備品の支援などを行うキャンペーンです。
今回は第1弾にてダーツ愛好会が発足した 広島新庄高等学校(以下、広島新庄高校)を取材。なぜキャンペーンに応募してくださったのか、普段の活動内容やダーツへの想いなどを部員の2人と先生にお話をお伺いしました。
新しいことを始めたい! 生徒2人の想いを先生が後押し
広島新庄高校では、大原さん、山田さんの2年生2名によって「ダーツ愛好会」が2023年4月に誕生しました。(創部した4月18日を2人のダーツ記念日と決めたんだそう)やりたい部活に出会うことができず、自分たちで新しいことを始めようと考えていたときにキャンペーンに出会ったのだと話します。
■大原さん
「やりたい部活がなくて、2人で何か新しい部活作っちゃえと思ったんです。でもせっかくなら誰もやっていないものをやりたくて、候補にしてたのはボウリング、ビリヤード、ダーツ。その中でダーツならいけるかもと思っていたときに先生がキャンペーンを教えてくれました」
■藤田先生
「僕もダーツは全くしたことがなく…。この子たちから話を聞いた後、すぐその日のうちに友人のダーツプレイヤーに電話して、1から教えてもらいに行きました。どうしたらいい? 何を準備したらいい? まず何から手をつければいい?って(笑)」
藤田先生のご友人はJAPANに所属する 安井可菜子 選手。キャンペーンについての情報を教えてくれたのも、安井選手だったそうです。
※JAPANは株式会社ダーツライブが特別協賛するソフトダーツのプロツアートーナメントです。
キャンペーンを知ったときの率直な感想はー。
■山田さん
「え、送ろう!無料で提供してもらえるのはでかい!当時の一番の課題は場所とお金でした。部室もなかったので、最初は学校の物置を借りて練習していました。最初にダーツボードも買ってみたんですけど、サイズも違ったし、先生の初投げですぐ壊れました(笑)」
■藤田先生
「キャンペーンを知ったとき、これだ!と思った反面、期限1週間しかないやんってなって。まず2人に出すよって伝えて、校長と教頭に許可取りに行って…バタバタでした。(笑)でも、『もの』をいただけるのは本当に大きかったです。どのクラブにおいてもハードルとなる『もの』が最初に来たので、そこをハードルと感じてなくて良いというのは本当にありがたいし、幸せなことです」
偶然が繋いだ軌跡 ダーツで繋がるご縁
先生のご友人にプロのダーツプレイヤーがいらっしゃったこともすごい偶然でしたが、生徒2人の思いが愛好会の活動へと繋がるまでにはほかにも様々な偶然があったのだといいます。
まずは顧問の先生である藤田先生との出会い。藤田先生は担任など2人と直接的な関わりがあったわけではなく、生徒会の顧問で部活動や愛好会関係のことを担当していたのだといいます。
■大原さん
「藤田先生は生徒会の先生で、とりあえず藤田先生に部活で何か新しいことがしたいって言ったらどうにかなるかもと思って、とりあえず学校中探しまくって捕まえました!」
■藤田先生
「たまたまサッカー部の様子を見に行こうと職員室を出た階段で2人に呼び止められました。2人が真剣に一生懸命新しい部活を作りたいことをアピールしてきて、そこでちゃんと話を聞いたんです。もし、切迫感のない感じだったら、スルーしていたかもしれないです(笑)」
「やってみたい」という気持ちだけでなく、そのために先生を探し直談判する行動力。加えて、その思いに対等かそれ以上に応える藤田先生の熱量。驚きと感動の連続でした。先生は、安井選手にお古のダーツをもらいに大阪まで出向いたこともあったんだそう…。
■藤田先生
「『生徒がやりたい』っていうことに応えるというより、生徒が居場所ややりがいなど色んなことを見つけてくれたらいいなって思っています。そういう生徒が増えたら学校も変わると思ってるし、学校も変わってほしいなって。やりたいことをやれるように。でも気持ちだけじゃなくて、そのためにはどうすればいいか、続けるにはどうするかなど考えて行動するというところも含めて、生徒も学校も成長してほしいなと思っています」
コロナ禍が続いていたこともあり、最近は生徒自身が発端となって物事が進むことはなかったといいます。そんななか、2人の行動は学校生活が”日常”に戻った象徴的な出来事でもあったそうです。
安井選手は、愛好会創設後もおすすめのダーツの動画を送ってくれたりと支援を続けてくれたといいます。ほかにも、偶然広島新庄高校にゆかりのあったJAPAN所属の 佐渡朋 選手も部活動のお手伝いに来てくださったそうです。2人の持つマイダーツはそのときに一緒に選んでもらったもの。右も左もわからない状態で始まった愛好会ですが、素敵なご縁で繋がった方々のおかげもあり、活動できているのだといいます。
そして、ダーツ愛好会創設から約4か月後、第1回スポーツダーツ競技大会 に出場。同年代のダーツプレイヤーとの出会いが新たな刺激になったといいます。
■大原さん
「とにかく緊張感がすごかったです。同年代のプレイヤーとやる機会ってなくて、自分より点数低い人がいても大会だとうまく見えちゃう。最初は不安とプレッシャーでした」
■山田さん
「ダブルスで試合したのも初めてで新鮮だったんですけど、2人だと途中で気持ちの共有ができるから緊張は少しマシになりました」
競技大会後、仲良くなった選手と連絡先を交換したという2人。もうすぐ修学旅行で東京に行くとのことで「会えたらいいね!」という会話をしているそうです。同年代との交流の場が楽しかったようで「もっとダーツ仲間を増やしたい!」「広島で大会しよ!」としきりに話してくれました。
夢はダーツプロ⁉ 現在ダーツにドはまり中
ダーツは未経験でしたが、今では毎日部室に通うほどがっつりダーツの魅力にハマった2人。今後は自分たちの成長にプラスしてダーツ愛好会を大きくしていくことに注力したいといいます。
■山田さん
「部活動になるには部員が5人以上必要なんです。なので、少なくともあと3人は増やさないと…。部活動になれば部費も出るし、今よりもっと良い活動ができるのになと思ってます」
■藤田先生
「愛好会は『学校の敷地内でダーツをしていいよ』という許可なんです。そこから部活動になるには活動の継続性や実績が必要となってきます。とはいえ、先生方の理解はありますよ。ほかの先生たちが来て、たまーに投げていくこともあるんです」
取材の最中、特に気になったのが部室です。後ろで回るミラーボールにカラフルなライトで彩られたボード。
■大原さん
「私たちが卒業してもダーツ部は残ってほしいから、勧誘はえぐいほど頑張りたいと思ってます。部室は、隣の軽音部から借りてきたミラーボールとライトをおいてみたり、見た目から楽しさと個性を出してアピールできたらなと思って。雰囲気を変えて自分たちのやる気も上げつつ、何だろうって気になった人がのぞきに来てくれたらいいな!」
部活動のテーマとして、「1番が楽しく!2番が技術!3番目が愛情!」と語る2人。強くなることはもちろん、たくさんのご縁に感謝し、人間関係や居場所作りを大事にしていることが伝わってきました。また、目標は「ダーツのプロになりたい!」とも話してくれました。「つくろう!ダーツ部 応援キャンペーン」は2人にさまざまな影響を与えているようです。
部活動としてのダーツ
「つくろう!ダーツ部 キャンペーン」では、今回取材した広島新庄高校のほかにも、茨城県、高知県の2校でダーツ部の活動が開始。また、2023年10月よりキャンペーンの第2弾がスタート。スポーツダーツプロジェクトは、キャンペーンの今後の展開にも注目しながら、ダーツの「部活動」としての魅力を、もっと世の中に伝えていきたいと考えています🙌
🎯スポーツダーツプロジェクトは、全国でダーツを広める活動を実施しています。体験会の実施を希望の方は、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。